過去 2 年間、私は大規模なコールセンターに TechSee のビジュアルサポートシステムを導入することで、企業の技術派遣率の低下を支援してきました。私たちはまず、コールセンターと協力して、エージェントがビジュアルサポートの恩恵を受けられる場面の特定を行いました。こうした作業の中で我々は驚くべき発見をしました。それはいままで技術者を派遣していたケースにおいて、電話にて5分以内に解決できるものが多く含まれていたことです。NFF( No-Fault-Found:故障等が無い良品にも関わらず、機器交換等の派遣を行うこと)は顧客が言葉で表現するのが非常に困難な技術的問題に直面したときや、エージェントがお客様の現状を把握できない結果、起こるものだと考えています。
最近の事例でも実際に、通信事業者のお客様が技術者派遣率を下げることが重要なKPIであると判断したケースがあります。技術者派遣の最も一般的なケースは、顧客のインターネット接続問題の解決であることがわかりました。コールセンターの手順では、エージェントは (内部モニタリングシステムを使用して) 接続問題を確認してから、技術派遣のための具体的な作業指示を出すことになっていました。
当社はこの通信会社のコールセンターにTechSeeのビジュアル・サポートを導入し、従来のプロセスに新たなステップを追加しました。エージェントは接続問題についてのお問い合わせが来るたびに、ビジュアル・サポート・セッションを求められる仕様になりました。その結果、顧客は、モデム、その背面のケーブル配線、および壁のソケットへの接続を映像にて簡単に共有できるようになり、エージェントが実際に自分の目で問題を確認することができるようになりました。
数週間以内に、私たちは接続問題における明確なパターンを発見しました。これらのケースの大部分は、2つの接続されたスプリッター(フィルター)の使用に起因していました。この経験をもとに、リモートでの問題解決が以前よりも簡単かつ迅速に行えるようになりました。その結果、技術者派遣率の低下も実現することができました。さらに、経営の観点からみると、技術派遣の大部分がNFF 派遣であることが分かり、その結果大幅なコスト削減に寄与したということが分かりました。
この事例は今回の通信事業者様だけに限りません。私たちの経験ではNFF派遣はすべての組織で最も無駄の多い分野の1つとして確認されています。業界によって異なりますが、NFF 技術派遣の最も一般的な理由は、セルフインストールとセットアップ中の障害、不適切なケーブル配線、デバイスのリセットと設定、および壁のソケット関連の問題です。
当社の経験では、定量的に評価するのは困難ですが、NFF 発生率は 17~20% であると考えています。技術者はしばしばNFFを過小申告し、節約した時間を利用して個人の時間に充てるなどしています。
リモートソリューションを改善してフィールドサービスの生産性を最適化
迅速なリモートサポートはすべてのコールセンターの目標ですが、顧客とエージェントのコミュニケーション不足は問題の原因特定を誤ったり、顧客が自分で解決策を実行するための手順を把握できないなどの問題につながります。このような基本的なコミュニケーション不足は、世界規模で毎年何十億ドルものコストとなっています。
こういった不必要なNFF技術者の派遣を防ぐためには、カスタマーサービス担当者が以下の改善を行う必要があります。
1. 顧客の現状課題のより正確な特定
2. より良いコミュニケーションとガイドの提供
その両面で改善を行うことで、リモートでの課題解決率の向上と、NFF率の大幅な低下を実現させることができます。 これらの改善は、主要なNFFの原因を特定した後、その情報をカスタマーセンターで共有し、顧客が自己解決できるように視覚的に誘導するビジュアルサポートを採用することで実現できます。
実際、企業がNFFを最小化に向けた取り組みは企業の収益向上に寄与します。 例として、1出張あたり250ドルのコストで、1日あたり1000の作業を行う会社を考えてみましょう。年間252日の営業日とすると、この会社は年間6300万ドルをフィールドサービスコールに費やすことになります。NFF率が17%、年間1,070万ドルの場合、これらの組織には大きなコスト削減の機会があります。
さて、あなたの組織がNFF派遣を減らす次のステップはなんでしょうか。
原文:https://techsee.me/blog/save-millions-lowering-no-fault-found-nff-dispatch-rate/ By Hagai Shaham Mar 16, 2020